top of page
中小企業を支援する認定制度・税制等

中小企業等経営強化法

■ 法律の目的 [条文]

 

「新たに設立された企業」や既存の「中小企業」を対象に
​「経営革新、経営力向上、先端設備等導入及び事業継続力強化」を支援
...と言われただけでは何のことかわからないので以下に中身を見ていきましょう

■ 簡単に言うと

「中小企業のみなさん、自らパワーアップするための計画を作りましょう」
「ちゃんとした計画を作ったら、国や自治体が認定します」

「認定された計画を持っていると、税金・融資・補助金等でも有利になります」
ということです。

■ どんな計画でしょう

  1. 経営力向上計画
    「人材育成、コスト管理等のマネジメントの向上や設備投資など、自社の経営力を向上するために実施する計画で、認定された事業者は、税制や金融の支援等を受けることができます」(中小企業庁)
    次項の経営革新計画が新商品や新技術等による新規事業に主眼があるのに対し、経営力向上計画は、今ある事業をより強くすることに主眼があります。

     

  2. 経営革新計画
    「新商品や新技術の開発等、中小企業者が経営革新を図る取組に対して、金融支援、販路開拓支援を行っています」(中小企業庁)
    新規性のある計画を認定するものです。

     

  3. 事業継続力強化計画
    「防災・減災の事前対策に関する計画(中略)中小企業のための取り組みやすいBCPと位置づけられます。認定を受けた中小企業は、税制措置や金融支援、補助金の加点などの措置が受けられます」(中小企業庁)
     

  4. 先端設備等導入計画
    「中小企業が、設備投資を通じて労働生産性の向上を実現するための計画(中略)認定を受けた場合は税制支援や金融支援などの支援措置を活用することができる」(中小企業庁)
    ​単に最新鋭の設備を導入するだけではなく、そのことによって労働生産性の3%以上向上を見込むことが要件となります。また、計画認定によって固定資産税の減免を受けるためには、従業員への賃上げ表明をしなければなりません。

経営力向上計画

■ 幅広い対象

  • 経営力向上計画の認定対象である「特定事業者」は、従業員2000人以下の会社、個人事業主、医療法人、士業法人、社会福祉法人、特定非営利活動法人や、これら特定事業者を主な構成員とする企業組合、協業組合、事業協同組合等が含まれます。
     

■ 認定を受けると良いことが色々あります

 

  • 経営力向上計画の認定を受けると、税制・融資・補助金といった、中小企業支援施策を受けるのに役立ちます。ただし、認定によって自動的に“特典”がついてくるのではなく、あくまでもそれぞれの制度において定められた基準により審査されるということに留意下さい。

■ スタートは「自分自身を正しく知る」から

  • こんなことを言うと、説教臭いと思われるかも知れません。しかし、これは実際に申請書を書くにあたって、現実的な問題となります。経営者が自社の状況を正確に把握していなければ、申請書を書くこと自体がまず困難ですし、書いて出しても申請不備で突き返されるかも知れません。

  • 補助金申請等では、限られた予算を大勢で取り合う側面もあり、一種の競争的要素が存在しますが、計画認定にはそのような要素はなく、要件が満たされていれば必ず認定されます。

  • ​その分、現状が正確に認識されているかどうかは、極めて厳格にチェックされます。

■ 目的がある場合は早めに行動しましょう

 

  • たとえば、中小企業の設備投資に有利に作用する中小企業経営強化税制の適用を受けるためには、経営力向上計画の認定を事前に受けておかねばなりません。ここで手間取っているうちに、先に設備を導入してしまうと、適用を受けられなくなって損をします。
     

  • ​早めの着手とともに、行政の指針に正確に準拠した申請を行い、認定までの時間を短縮することも重要です。さらに、迅速な申請のために電子申請が利用できるよう、GビズIDの準備をしておくようお勧めします。

  • また、認定の目的によっては、証明書類が求められることがあります。たとえば、中小企業経営強化税制の対象としたい設備について、工業会等による証明書が必要になりますが、ここに書かれている設備等の名称/型式と申請書の記述が一文字でも違うと修正を求められます。こうした書類が揃わないと申請書を完成することができません。早めに手配するようにしましょう。

■ 道に迷わないようスタートラインをまず確認

 

  • 基本中の基本として、自社の事業がどの事業分類に該当するのか、正確に認識しなければなりません。これは何となくではなく、日本標準産業分類により判断します。たとえば、当社は造園を手掛けているのだが...という場合、eーStatの日本標準産業分類から「造園」で検索すると、0141 園芸サービス業, 0621 土木工事業(別掲を除く), 0622 造園工事業 の3業種がヒットします。それぞれの詳細情報(info)を参照して、自社がどれに最も適合しているかを判断します。

  • 経営力向上計画の申請先は、事業分野と所在地(例外あり)によって細かく分かれています。詳しくは公式の一覧(経営力向上計画 事業分野と提出先)をご覧下さい。ただし、これですら「代表的な事業分野の提出先」とのことですので、不明な点があれば、一覧に記載されている「中小企業税制サポートセンター」に問い合わせて確認するようにしましょう。ここで判断を誤って、後で指摘を受けると、最初からやり直す羽目になりかねません。

  • 計画に盛り込むべき取り組みは、事業分野別指針により定められています。しかし、申請の中身に入る前に、もう一点、確認すべき事項があります。事業分野別指針の書きぶりは、事業分野によって違いがありますが、多くの場合、後半部分に「規模別の整理」という項目があり、事業規模に応じて計画が満たすべき要件が異なります。自社がどの規模分類に該当するかは、定義を確認して正確に把握しておく必要があります。

■ 申請書は地道に作ります

 

  • 事業分野や規模が確認できたら、計画期間を定め、対応する指針に準拠して申請書を作成します。経営力向上計画は、新規性や独自性を求められるものではありません。自社の現状を正確に把握した上で、指標に沿った目標設定ができていればよいので、地道に丁寧に内容を詰めていきましょう。

  • 自社の経営状況の数値評価は、経済産業省標準のツール“ローカルベンチマーク”(ロカベン)を使用します。経営力向上計画の申請だけではなく、企業の自己診断、様々な申請のための資料作成、金融機関やコンサルとの対話等、応用範囲が広いので、この機会に使い慣れておくとよいでしょう。

  • ​「経営力向上の目標及び経営力向上による経営の向上の程度を示す指標」「経営力向上の内容」項目は、どうしても気合が入ってしまいがちですが、ここでは「大きくて立派な数字」や「見栄えのするカッコイイ目標」は全く必要ありません。掲げた目標が指針に沿ったものであり、計画期間に適合しており、数値が正確である、そして指針の内容が自社の具体的な活動に対応付けられている、ということが必要十分条件です。

  • 中小企業経営強化税制の対象としたい設備がある場合、事業承継の支援策を利用したい場合、それらの対象となる設備や経営資源に関する記載を漏らさないようにします。

  • 経営力向上計画自体については、認定後の報告や監査という手続は定められていません。とは言え、認定された計画を前提としての税制・融資・補助金等の支援策を受けようとするときに、計画との乖離があるのは具合が悪いことですね。身の丈に合った、実行可能な計画を作成して申請しましょう。

■ 支援が必要ですか

 

  • 経営力向上計画は、本質的には事業者様自身で十分作れる内容です。もっとも、こうした書類の作成はあまり得意ではないなとか、電子申請は苦手だとか、ちょっとしたチェックだけでもしてもらえないかとか、思われる方も多いでしょう。要領がつかめないと何度もやり直しさせられるかも知れません。必要と思われる範囲について、必要とされるだけ、伴走支援をいたします。お声がけいただければ幸いです。

経営革新計画

■ 新事業・新商品・新サービス等による経営革新に挑戦する事業者を支援

  • 経営革新計画の対象となる「特定事業者」には、常時使用する従業員が次の人数以下の会社、個人事業主と、企業組合、協同組合、及び構成員の2/3以上が特 定中小企業者である一般社団法人が含まれます。

    • 製造業等  500人以下

    • 卸売業   400人以下

    • サービス業 300人以下
      (ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業は500人以下)

    • 小売業   300人以下

  • ​経営革新計画を作成する事業者は、次に該当する「新事業活動」に取り組むものとします。

    • 新商品の開発または生産

    • 新役務の開発または提供

    • 商品の新たな生産または販売の方式の導入

    • ​役務の新たな提供方式の導入

    • 技術に関する研究開発及びその成果の利用その他の新たな事業活動

要するに、新規性のある商品やサービスを市場に提供したり技術開発をする計画を有している事業者を対象とした制度です。

■ 承認を受けると良いことが色々あります

 

  • 経営革新計画が承認を受けると、保証・融資・補助金といった、中小企業支援施策を受けるのに役立ちます。ただし、認定によって自動的に“特典”がついてくるのではなく、あくまでもそれぞれの制度において定められた基準により審査されるということに留意下さい。

    • 信用保証の特例
      承認経営革新計画に従って行われる経営革新のための事業に必要な資金について保証限度額の別枠を設定(通常有担保2億円無担保8千万円以内+別枠有担保2億円無担保8千万円以内)
      新事業開拓保証(研究開発費等対象)限度額引上(通常枠2億円→3億円)

    • 新事業活動促進資金(日本政策金融公庫)
      国民生活事業(小規模企業・個人事業主向):設備資金について特別利率B適用
      中小企業事業(中小企業・中堅企業向):設備資金について5億4千万円までは基準利率から更に−0.65%優遇
      公庫の『新事業育成資金』の認定を受けると7億2千万円まで基準利率-0.9%

    • 高度化融資制度
      高度化事業として集団化・施設集約化・共同化・合同事業等に取り組む組合やグループが経営革新計画の認定を受けていると低利~無利子で融資

    • 食品等持続的供給対策債務保証(食料システム機構)
      食品製造業者等が金融機関から融資を受ける際に最大4億円の債務保証

    • スタンドバイ・クレジット制度(日本政策金融公庫)
      海外現地法人等による現地流通通貨での資金調達にあたり1法人9億円までの信用状発行

    • クロスボーダーローン(日本政策金融公庫)
      タイ、ベトナム、香港、シンガポール、フィリピン、メキシコにある海外現地法人に対して14億4千万円までの融資

    • 中小企業信用保険法の特例(信用保証協会)
      海外投資関係保証の限度額引上(企業通常枠2億円→3億円, 組合通常枠4億円→6億円)

    • 中小企業投資育成株式会社からの投資
      ​通常資本金3億円以下の企業限定の投資を3億円以上の資本金でも受けられる

    • 補助金関係

■ 窓口は原則として都道府県の担当部署です

  • 経営革新計画に関する運用は、原則として都道府県の担当部署に委ねられています。都道府県によって、また申請者の状況によって、具体的な手続が異なる場合があります。また、経営革新計画の承認を受けて得られる支援の内容も、都道府県によって異なる場合があります。

  • 都道府県の担当部署では、サイトを設けて、経営革新計画に関する案内を行っています(大阪府の例)。申請から承認までのフローや、申請に必要な書式等もここで得ることができます。
     

  • 不明点や確認したい事項があれば、申請書を作り始める前に、担当部署や地元の商工会・商工会議所に相談・問い合わせを行うことが推奨されています。

■ 目的がある場合は早めに行動しましょう

 

  • 具体的な手順は都道府県によって表現が異なりますが、申請書の初版を提出してから、対面やオンライン等で、担当部署とのやり取りがあり、何度か修正を行った後に完成版として正式に受理されるのが普通です。これに1~2か月を要すると想定します。完成版が受理された後、審査が行われ、承認可否が決定されますが、これに概ね1か月かかると想定します。
     

  • 従って、融資や補助金のために経営革新計画の承認を得たい場合は、必要になる時期の3か月以上前には初版ができているように、早めのスケジューリングをしておかねばなりません。

■ 要件を満たせない計画はムダです

 

  • 経営革新計画で計画する事業は、前記の「新事業活動」に該当するものでなければなりません。新商品や新サービスまたはそれらの提供形態に明らかな新規性が認められるものでなければ、承認は得られません。
     

  • 新規性というのは、必ずしも日本初や世界初を求めるものではありませんが、同じ市場に先行者があった場合でも、自社の独自性を掲げて十分戦えるような比較優位性があることは必要です。

  • また、経営革新計画は、実行可能な事業計画として成り立っていなければなりません。単に新規事業をやりたいというだけではなく、新事業活動によって、計画期間中にどれだけの成果が得られるのか、論理だてて説明できなければなりません。

■ 計画期間を定めスケジュールを引き成果を予測します

 

  • もうおわかりかと思いますが、経営革新計画というのは、何も新たな計画を作れというものではなく、自社が新たな商品・新たなサービス・新たな提供方式に取り組む際、当然作らなければならない事業計画を清書しているだけです。

  • 開発や市場投入の計画、あるいは設備計画等に応じて、3年から5年の計画期間を定めます。各計画年度を概ね四半期のレベルに分割し、それぞれの時期に実施するアクションや予想到達度を記入します。計画中で想定している設備投資や資金調達についても漏れなく記載します。

  • 結果として計画期間中の各期の計数が算出されます。次の指標が満たされていれば、この計画には勝ち目があります。

    • ​事業期間3年
      付加価値額(または付加価値額/人) +9%以上
      給与支給総額 +4.5%以上

    • 事業期間4年
      付加価値額(または付加価値額/人) +12%以上
      給与支給総額 +6%以上

    • 事業期間5年
      付加価値額(または付加価値額/人) +15%以上
      給与支給総額 +7.5%以上

​こうならない場合、無理に数字の辻褄をあわせるのではなく、いったん立ち止まって、この計画の弱点が何なのか、考えてみましょう。新商品や新サービスで勝負するのですから、それなりのリターンを得るよう計画しなくてはもったいないことです。

■ 支援が必要ですか

 

  • 経営革新計画は、本質的には事業計画そのものでした。既にきっちり計画をお持ちの事業者様なら、第三者レビューを受ける程度の支援で、十分勝負できると思います。ただ、どうもこういう計画書をまとめるのは苦手なんだが、という事業者様もおられるでしょう。事業者様になり替わってゼロから計画をこしらえることは誰にもできませんが、文書になっていないだけの、熱い想いを形にする作業のお手伝いをすることはできるでしょう。それこそが経営革新等支援機関の存在意義なので、一声かけていただければ幸いです。

中小企業診断士益田亮事務所
​行  政  書  士  益  田  亮  事  務  所
〒565-0836 大阪府吹田市佐井寺4-39-3 アムール千里 101
bottom of page