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外国人の雇用を検討される事業者様へ

基本的なこと

■ 外国人を雇用するとはどういうことか

  • 日本国内の事業者が外国人を雇用するには、次のような類型があります。

    1. ​個人の有する資格や能力に応じて独自の貢献をしてもらう

    2. 日本国内で明らかに労働力が不足している分野の業務を担ってもらう

    3. 永住者等日本人と同様の生活をしている人を雇用する

    4. 資格外活動許可を受けた人をアルバイト等短時間労働で雇用する

  • ​それぞれに制約や決まりごとがありますが、いずれの類型でも、労働基準法や労働契約法をはじめとする労働法規、社会保険や安全衛生に関する諸制度等は、日本人か外国人かにかかわらず等しく適用されます。地域別や業種による最低賃金も同様に適用されますし、在留資格によっては同一職種の日本人と同等かそれ以上の処遇が認定条件になります。その他合理的な理由のない差別的待遇は許されませんし、言うまでもないことですが日本国憲法の基本的人権に関する規定は、参政権等を除き外国人にも保証されています。

  • 従って、ごく一部にあったような、低賃金や劣悪な労働環境で外国人労働者を使い捨てにできるというような言説は、全くの誤解ということになります。万一、そのような心得違いの雇用主がいた場合、ご承知の通り労働法規の主要部分は強行法規であり両罰規定を有しているので、担当者も事業主も言訳無用で刑事罰の対象となる可能性があります。

  • 一方、外国人は入管法上の諸制約を受けますので、配置転換等に一定の制限があったり、在留資格が何らかの理由で更新できないことによって帰国を余儀なくされることもあります。

■ 事業者が知っておくべきこと

  • 日本国内の事業者が外国人を雇用しようと思う場合、想定する業務や人材像を明確にする必要があります。それによって、必要な在留資格が異なり、満たすべき条件や利用できる制度が変わってくるからです。そして当然、必要な準備やアプローチの仕方にも違いがあります。次段落に、在留資格についてそのごく一部をご紹介していますが、種類が多く条件も複雑です。お考えの人材像に適合する選択のお手伝いをすることができますのでご相談下さい。

  • また、外国人が安定した生活と就業を続けられるよう、雇用者に一定の支援や配慮が求められます。入管法をはじめとする関係法規、各種制度や利用可能な支援機関等、情報は多岐にわたり、またしばしば更新されます。最新の情報に基づいて、事業者として準備すべき体制、実施すべきアクションについて、情報を提供し支援することができますのでご相談下さい。

在留資格

■ 概要

​​

  • 外国人が日本国に滞在して活動するためには、いずれかの在留資格を有することが求められます。在留資格には多くの種類(2026年5月現在29種)があり、それぞれできる活動や在留期間が定められています。[出入国在留管理庁]

  • 在留資格によって、就労が可能なものとそうでないものがあります。また、在留資格によって就くことのできる仕事の範囲が異なります。従って、事業者が外国人人材を活用しようとする場合は、予定している職種に就労可能な在留資格を既に有している外国人を採用するか、然るべき在留資格を新たに申請するよう求めなければなりません。

  • 在留資格が認められるためには、在留資格に応じた能力や経歴(職歴や学歴等)を証明する必要があります。また、在留期間を更新するためにも、一定の要件を満たすことが必要です。

  • 求める人材像に必要な在留資格を得ることが能力や経歴上難しい外国人を、無理に雇用しようとすると、無資格の就労になったり、資格更新ができなかったりと、外国人本人にとっても事業者にとっても、好ましくない結果になることが予想されます。必要な在留資格を既に得ている、あるいは無理なく得る見込があるという条件で人材を求めなければなりません。​

■ 外国人の雇用を検討する際に特に知っておきたい在留資格

  • ​多数ある在留資格の中で、特に次の種別について、正しく認識しておきましょう。

    • ​専門職・技術者
      ホワイトカラー系の専門知識を持った人材
      技術・人文知識・国際業務(技人国)、高度専門職等の在留資格が該当します。
    • ​技能職
      ​現場業務の技能を身につけた人材
      技能、特定技能、介護等の在留資格が該当します。
    • ​育成就労
      技能を身につける過程にある人材
      2027年4月1日より施行されます。
      これに伴い現行の技能実習制度は廃止予定です。
    • 身分による在留資格
      就労に制限がない資格
      永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者が該当します。

  • これらの類型のほか、留学生等が事前に資格外活動の許可を得て、週28時間以内のアルバイトをすることもできます。ただし、適切な手続きを経ずに安易にアルバイト採用すると、不法就労助長として刑事罰の対象となります。

■ 技術・人文知識・国際業務

[出入国在留管理庁による説明]

  • ​専門的な技術や知識をもって日本企業等で働く外国人が多く保有する在留資格で、しばしば「技人国ビザ」と通称されます。2025年末時点で、475,790人がこの資格で在留しています。

  • 大きく3分野に分かれます。

    1. ​​技術分野:自然科学・工学の専門知識を必要とする業務

      • IT・情報通信

      • 機械・製造

      • ​電気・電子

      • 化学・素材

      • 建設・インフラ

    2. 人文知識分野​:法律学、経済学、社会学などの専門知識を活用する業務

      • ​経営企画

      • 財務・経理

      • 人事・総務

      • ​法務 ※弁護士業務は別資格

      • ​営業・マーケティング

      • 金融

      • コンサルティング

      • ​貿易・物流

    3. 国際業務分野​:外国人特有の文化的背景や語学能力を活用する業務

      • ​通訳・翻訳

      • 語学教育 ※学校教育法上の学校教師は別資格

      • 海外取引

      • 広報・宣伝

      • 商品開発

      • デザイン

  • ​技術や知識が認定されるためには、当該分野を専攻して大学卒または専修学校卒(専門士)または10年以上の実務経験(国際業務は3年以上)を証明する必要があります。また学歴や実務経験は、従事しようとする業務とマッチしていなければなりません。これらは、分野・業務毎に厳密にチェックされますので、日本人が就職する時のような「なんとなく似た分野の大学」では通らないとお考え下さい。

■ 高度専門職

[出入国在留管理庁による説明]

  • ​専門職のうち特に優れた人材を認定して優遇するものです。2025年末時点で、28,708人がこの資格で在留しています。

  • 3分野に分かれます。

    • 高度学術研究活動(イ)研究者・大学教授など

    • 高度専門・技術活動(ロ)自然科学・人文科学の技術者・専門家

    • 高度経営・管理活動(ハ):企業の経営者や管理者など

  • ​学歴・職歴・年収・実績等に応じて加算されるポイントが一定基準に達すると申請できます。他の在留資格より格段に安定した有利な待遇が得られます。最初から基準を満たしている場合もありますが、技人国等の在留資格で勤務していた人が基準を満たすようになった結果として申請することもできます。

■ 特定技能

[出入国在留管理庁による説明] (育成就労・技能実習制度の情報含む:2026年3月27日更新)

  • ​日本国内で特に労働力が不足する業種を特定して、就労を許可するものです。2025年末時点で、390,296人がこの資格で在留しています。

    • ​特定技能1号・2号でも受入れ可
      ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業

    • 特定技能1号のみで受入れ可
      介護、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業

    • 2026年1月23日閣議決定により新たに追加:特定技能1号のみで受入れ可
      リネンサプライ、物流倉庫、資源循環

  • ​特定技能の在留資格で日本に在留できるのは、日本との間で二国間の協力覚書を交わしている国の国民に限られます。

  • ​特定技能1号の在留資格を得るためには、各分野毎に定められている技能試験に合格することとA2.2相当以上の日本語能力が必要です。なお、技能実習2号を良好に修了した人は試験が免除されます。特定技能1号の在留資格は、1年以内の在留期間で認定され、通算5年まで更新可能です。通算5年を超えると、特定技能2号へ移行しなければ在留資格を失います。

  • 特定技能2号の在留資格を得るためには、​特定技能1号の在留資格を有する人が、各分野毎に定められている評価試験に合格することと、B1相当以上の日本語能力が必要です。特定技能2号の在留資格は、3年以内の在留期間で認定され、更新に制限はありません。より安定した、長期的な就労が可能となります。

  • 特定技能外国人を雇用する事業者は、本人と雇用契約を結びます。雇用した外国人の日本での生活のあれこれについて、自社でサポートすることも可能ですが、支援計画書の作成をはじめとして知見や労力の面でなかなかハードルが高いため、それらを登録支援機関に委託することができます。

■ 育成就労

 

[出入国在留管理庁による説明] (特定技能・技能実習制度の情報含む:2026年3月27日更新)

  • ​現行の技能実習に代わるものとして、2027年4月から実施される制度です。現行制度(2025年末時点で456,618人が在留)は、開始時点で「開発途上国への技能移転を通じた国際貢献」を掲げていましたが、実際には労働力不足を補うものとして、来日時点で特定技能の水準に達していない労働者を就業させる目的で利用されていたという側面があります。こうした建前と実態の乖離を背景として、不適切な就労環境の発生、外国人実習生への人権侵害や非合法的領域への転落の誘因となる等、様々な問題が指摘されてきました。

  • 育成就労制度は、開始条件、終了条件を明確化し、制度目的に適合した就労を行うための管理と支援の仕組みを強化したものになっています。
    • ​就労開始時点でA1相当の日本語能力を有しているか、就労1年目でA1相当の日本語能力試験に合格するよう講習を実施。
    • ​原則3年間の育成就労実施で、特定技能1号技能試験等の合格、A2相当の日本語能力を目標とします。
    • 育成就労実施者(育成就労外国人を雇用する事業者のこと)、監理支援機関(日本国内で受入支援、労働条件や育成状況の監査、相談や保護等を行う、営利を目的としない法人)、送出機関(送出国側で育成就労外国人の送出を行う機関で、日本政府と二国間取決めを結んだ送出国政府が認定したものに限られます)について、現行の技能実習で見られた諸問題への対応として、より厳格な要件が定められています。詳しくは別項で紹介します。

  • ​育成就労実施者になろうとする事業者は、次の役割を担う常勤職員を置く義務があります。
    • 育成就労責任者
    • 育成就労指導員
    • 生活相談員

これらの職員は、あらかじめ養成講習を受けておく必要があります。現在は育成就労制度は未実施なので、当面は技能実習制度の養成講習で代替されます。育成就労指導員や生活相談員についても養成講習は必須となりますのでご注意下さい。

中小企業診断士益田亮事務所
​行  政  書  士  益  田  亮  事  務  所
〒565-0836 大阪府吹田市佐井寺4-39-3 アムール千里 101
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